【海外就職を目指して】日本すし学院に入学してみた

以前日本すし学院の説明会に行ったこと書き、入学を決意したことを偉そうに書いておきながらその後の事を書いていなかったので、いくつかの記事に分けてその後何が起きたかを書いていきます。
結果から言うと、現在は飲食関係の仕事はしていません。六本木のIT系外資で働いています。日本すし学院に行った事は端から見るとまったく意味がなかった様に見えると思いますが、私はとても多くのことを学びました。

目次

  • 何故寿司学校に行こうと思ったか
  • 何故日本すし学院を選んだのか
  • お金について
  • 生徒について
  • 先生、学校スタッフについて
  • 授業について
  • 2ヶ月学んだ結果について
  • 2ヶ月が終わって思ったこと
  • 卒業後の進路について

 

何故寿司学校に行こうと思ったか

これは前の記事で書きましたが、海外就職をしたいとずっと思っていました。その為に英語を独学で勉強し、Toeicは800を越えて、都内で英語を使った仕事(英文事務)もしました。けれど、海外で仕事を得るには英語が出来るだけではなく、何らかのスキルが必要になります。そのスキルとして寿司を身に着けたいと思い、寿司学校に行こうと決めました。

 

何故日本すし学院を選んだのか

これも前の記事で書きましたが、簡単に言うと2ヶ月学校で学んだ後のイメージが日本すし学院の方が明確にイメージ出来たことと、授業料が安かった為です。

 

・お金について

私が入学した時は入学金、授業料合わせて約65万円でした。詳しくは日本すし学院の公式サイトを確認してください。http://www.jpn-int-sushi-school.jp/

包丁、制服代金も上記金額に含まれていましたが、授業時に履くズボンや靴(黒であれば何でも良いが、コックシューズがおすすめ。)は別で用意する必要がありました。※コックシューズとはこんな感じのやつです。 

[シェフメイト] CHEFMATE シェフメイトα-100  クロ(クロ/26.5)

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コックシューズは入学後、希望者は購入可能でした。すごく便利だったのでオススメします。昼食は自分で午前中の授業で握った寿司を試食したり、それで足りなければ近くの蕎麦屋さんで少し食べたりという感じで、昼食代はそんなにかかりませんでした。

 

・生徒について

私がすし学院入学した時は、私を含めて生徒は7人でした。(私の先輩にあたる、1期前の生徒は3名でした。)
全体的に同期生の年齢は高めで、私ともう1名以外は全員40歳以上でした。最高齢の方で62歳くらいでした。その内、40代前半の男性と仲良くなり、その方とはお互い卒業したら寿司の道に進もう、と話していました。その他の人はそこまで絶対に鮨屋で働くんだ!という感じではなかったように思います。入学前には考えもしませんでしたが、一緒に授業を共にする生徒は、意外と大切なところだと今となっては思います。何故なら、飲食業はどうも人との繋がりが大切なようで、誰かに仕事を紹介してもらったりすることが多いようです。他学校ですが、東京すしアカデミーのページにこのように書かれていました

「世界で活躍する寿司シェフになろう」という同じ志でつながった当校OB同士の結束は強く、現在の卒業生は海外就職先の多くを、先に海外へ出て活躍しているOBの紹介によって決めていると言っても過言ではありません。

この点では生徒数も多く、外国人もいるすしアカデミーの方が海外就職へ繋がるチャンスが多かったり、また一緒にモチベーションを保ち、高める仲間が見つかる可能性が高いのかなと思いました。

 

・先生、学校スタッフについて

主にベテランの先生1名が教えてくれました。授業の内容によっては、他の先生も一緒になって教えてくれました。生徒数が多くなかったので、7名に対して先生1名でも足りないとは感じませんでした。どの先生も元々鮨屋で働いていた経験があり、素人目から見ても技術は素晴らしかったです。また、もちろん自分がお金を払った生徒だからというのはありますが、とても優しく教えてくれました。怒られたことは一度もないです。分からない事は聞けば教えてくれますし、とても丁寧に教えてもらえたので授業はすごく楽しかったです。スタッフも皆さん本当に優しかったです。学校の規模はすしアカデミーと比べると小さいかもしれませんが、その分すごくアットホームな雰囲気でした。

 

授業について

授業は月曜日〜金曜日、朝9時から夕方5時まででした。基本的には午前の授業で魚の仕込み授業があり、午後は午前仕込んだ魚を使用して握りの練習をしたり、細巻きの練習をしました。握り、細巻きの練習、魚の切りつけの練習は本当に何度も何度も行いました。
握りで使うシャリの重さは18gと決められていたので、最初のうちは18gの感覚を掴むために、毎回シャリをスケールに載せて重さを量っていました。最初はなかなかうまくできませんでしたが、これが不思議とやっていく内に感覚が身につきました。
最初はシャリなしで握り、シャリの形がうまく出来るようになってきたら、ネタを載せて実際に握ってみる練習をしました。
自分で言うのもなんですが、私は比較的早い段階でなんとなく形になっていたと思います。正直な所、あまりにも酷い握りをする人もいました。(シャリが手酢でびちゃびちゃになってしまったり、形がぐちゃぐちゃだったり。)
ですが、そういった人たちも2ヶ月の授業が終了する頃には、とてもキレイに早く出来るようになっていました。習熟速度の違いこそあれど、みんな出来るようになるものだなと驚きました。

細巻きの練習も何度となく行い、最初のうちは上手く巻けない(中身がはみ出してしまうパンクと言われる状態)ことが多かったのですが、これも何度も練習することで上達しました。ですが、私は細巻きに関しては最後まで苦手でした。笑

ほぼ毎日魚の仕込みをするので、当然魚の切りつけ練習も毎日行いました。目安となるネタの形があり、重さも10gと決められていたので、一枚ネタを切る度に、目安の形と見比べ、スケールで重さを量る。を繰り返しました。切りつけ次第で握ったときの形が大きく変わるので、いつも真剣に行っていたことを覚えています。

一ヶ月に一度、成果発表という名のテストがあり、握り8カンを何分以内で握る。細巻きを何分以内に何本巻く。何分で何枚切りつけをする。などのテストと、魚の知識テストなどもありました。授業で使用した魚はアジ、イナダが多かったです。この2種に関しては、テストがあったこともあり、徹底して授業で練習しました。(アジに関しては自分で買って、週末に自宅で練習しました。)

アジの三枚おろしなんて全く今までの人生に無縁でしたが、何度も練習をして自分でも驚くほどに早く、キレイに出来るようになりました。キレイに出来たときの喜びはとても大きく、三枚おろしは今では僕の趣味の1つと言ってもいいかもしれません。笑
イナダも初めて扱った時は、アジと比べてサイズも大きく苦戦しましたが、何度も練習することで徐々に上手に仕込みが出来るようになりました。
その他の魚では、マグロ、タイ、ヒラメ、イカ、サバ、コハダ、サーモン、エビなどの仕込みもしました。それぞれの魚を何度も授業で扱うわけではなく、私は2ヶ月コースでしたので一度しか扱わないものもありました。4ヶ月コースだとまた変わってくるようです。他には厚焼き玉子の練習、桂剥きの練習、座学も少しありました。

<補足:予習・復習について>
授業の前日には、翌日授業で扱う予定の魚をスーパーで買ってきて、学校から貰ったテキストや本、Youtubeのビデオを見ながら実際に家で捌く練習をしました。

翌日の授業で先生に教えてもらいながら、本やビデオでは分からなかった点を理解するようにしました。また、授業が終わった後には学校の向かいにあるカフェで授業のまとめのノートを書いたりもしました。授業で一度教えてもらっただけではすぐに上手くは出来ないので、これらの予習・復習はすごく役立ちました。
テキストなどを見ても分からない点があったので、事前にYoutubeでビデオを見て、気をつけるべきポイントを掴んでおくことはすごく役立ったように思います。

本は寿司の技術大全という本を自分で購入し参照しました。すこし悲しかったのは、もうすぐ2ヶ月が終わるという頃に、学校から同じ本をプレゼントされたことです。笑
少し値段は張りますが、全編カラーで、細かく仕込み方法など書かれていてすごく分かりやすいのでおすすめです。実際に寿司屋で働いていた時もレファレンスとして使用しました。

すしの技術大全

すしの技術大全

 

 

・2ヶ月学んだ結果について

2ヶ月の授業を通して、握り、細巻き、魚の仕込みが、説明会に行ったときに自分が想像していた以上に出来るようになりました。もちろん、たった2ヶ月やっただけですからまだまだではあるのですが、まったく0から始めた人間にしてはすごく出来るようになったと言えると思います。前述の通り、一月に一度成果発表がありましたので、その際の成果をお見せしたいと思います。

 

一ヶ月目の成果発表で握った物がこちらです。名札と共に写真を撮り、その部分をトリミングしたのでちょっと写真が変な感じになってしまっていますが‥

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細巻きに関しては得意ではなく、時間制限がある中で巻いたのでとても仕上がりが汚くお見せするのが恥ずかしいです‥笑

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2ヶ月目の成果発表では盛り込み(握りと細巻きを作り、桶に盛る)のテストがありました。こちらは1ヶ月目と比較して、特に細巻きが改善されているのがお分かりいただけるかと思います。笑

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・2ヶ月が終わって思ったこと
先生からも言われていましたが、本当に2ヶ月の授業はあっという間に終わりました。もっと空いた時間を勉強に使えば良かった、もっと築地市場に行けば良かったなど後悔は沢山ありました。(学校から築地市場は歩いて5分程の距離でした)
また、2ヶ月勉強をしたうえで、将来を見据えた時に今の技術では海外に行くべきではないなと感じました。
握りが出来るようになるよりも、その前の段階。魚の良し悪しを見分ける技術や魚の仕込みなど、そういったものの大切さに気づきました。入学前には、寿司を握れて、巻物が出来るようなれば良いのかなと思っていましたが、それらは本当に仕事の一部でしか無いことを今更ながら認識しました。正しい魚を選び、正しい手順で素早く仕込みをして、初めて握りや巻物が出来るということが恥ずかしながら分かっていませんでした。
そういった大切な事を身に着けずに海外に行っても、いつかあの時日本で修行すれば良かった‥と後悔する日が来るのではないかと思い、本来は卒業後すぐに海外就職を目指そうと考えていましたが、日本で修行することに決めました。ただ、卒業後すぐに海外就職を目指すのも一つの道だと思いますし、恐らく就職先は見つけることが出来る可能性はあるのではないかと思います。

 

・卒業後の進路について
2ヶ月コース終了の少し前に、教室に求人票が張り出されました。もちろん日本の寿司屋の求人もあり、また海外の寿司屋の求人もいくつかありました。既に書いたように、いきなり海外に行くよりも、一度日本で修行すべきと考えており、求人票でもあまり魅力的なものがなく、自分で国内の求人を探すことにした。求人サイトはグルメキャリーを使いました。http://www.gourmetcaree-tokyo.com/index.html

 

実際にこの後個人経営の寿司屋に就職することになるのですが、自分の怠けた性格ゆえ、就職までには卒業後3ヶ月ほどかかっています。お恥ずかしいです‥

詳しくはまた次の記事で書きたいと思います。